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2010年09月16日

江戸小紋

少しはきもの学院らしい内容も・・・・・

今日、たまたま 江戸小紋についての質問がありました。

歴史・模様・技法などなど 江戸小紋を語らせたら明日まで

語ってしまうくらい 話す事がたくさんあります。

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小紋三役

左から鮫小紋・行儀小紋・通し小紋

まず今日は 簡単に歴史的なこと

江戸時代に武士の裃の模様として発達しました。

はじめは無地染めでしたが、その後布一面に小紋(小さな家紋)が

染められるようになり、各大名が藩の「定め小紋」をつくり、他人が

用いることを許しませんでした。

武家諸法度が定めた参勤交代制により、江戸詰めをするものが

多くなると自然と江戸の地にも板場がつくられ、職人も呼び寄せられました。

しかしいつも平均して裃の需要があるわけではなく、

それよりも 金回りのよくなった江戸庶民のしゃれっ気、粋なものを

欲する要求とが合致して、きものの小紋染めがひろがったと言われて

おります。

昭和30年に江戸小紋は国の重要無形文化財に指定され、その技術保持者が

人間国宝に認定された時に、それを他の傾向のものと区別するために

呼称したことから一般化し、江戸小紋という名が定着しました。

江戸時代に発達した古典的・伝統的な小紋型染めを指し、

江戸小紋という名称の裏には地域ではなく、江戸時代のという

意味が強く、東京染小紋という名称には地域の意味が強い。

だから江戸小紋という場合には、東京以外にも旧城下町などを

中心とした小紋型染めの板場が古典的な江戸小紋を染めているような

例も含まれております。