彫師と染師の真剣勝負が生み出した江戸小紋。
地紙は型彫り師の手によって、様々な模様が彫られて型紙となります。
型彫りには、錐(きり)彫り、突き彫り、道具彫り、引き彫り、縞彫りなどの種類があります。
錐彫り
型彫りの技法の中で、最も古いといわれるのがこの錐彫りです。
彫り道具の錐は、ごく薄い鋼を半円筒型に曲げて作った針状の鋭い刃をした
刃物です。彫るときは、右手を固定させ、親指と人差し指で三日月の形になった
刃をひねってゆくように回転させてほります。
錐彫りの 一番重要な所は回(穴のこと)が揃うことです。
錐彫りの代表的なものには、鮫、行儀、通し小紋があります。
これらは 「小紋三役」と呼ばれ 格調高い柄とされています。
一番細かい柄は極鮫と呼ばれているもので 1寸(約3センチ)四方に
900個以上の穴が彫られてます。穴の大きさが少しでもムラがあると価値が下がるので
一瞬一瞬が緊張の連続で 朝、座ったら 中々 立つこともできなくなるようです。