私の 好きな模様の一つに 源氏香があります。
【源氏香】
組香(くみこう)の遊び。5種類の香を各種5包ずつ合計25包を
混合し、その中から任意に5包を取り出して焚き、その香りの異同を
判別する。縦に5つの線を引き、同じ匂いの時は横棒をつないでいって
できた図形に「源氏物語」の巻名を付して、その正答数で勝敗を決した。
「源氏物語」と香道を組み合わせたこの遊びは、江戸時代初期に
後水尾院(1596~1680)が考案したものといわれ、公卿社会を中心に
流行し、特に元禄期(1688~1704)に隆盛をみた。
図柄は「桐壺」と「夢浮橋」を除いて52種類あり(源氏構図)、
色紙絵や衣装の文様など様々な面で愛用されている。
【源氏物語と香り】
空蝉の巻で見られるようにし、「源氏物語」では、さまざまな場面で
香りが重要な役割を果たしている。
入浴の機会が少ない平安貴族たちにとって、衣類に香りをふくませる衣香
部屋に香を焚きしめる空香など、香りは生活上欠かせないものであった。
そのため、さまざまな舶来の香料でオリジナルの香りを調合して(薫物)、
そのセンスを競うことが貴族の大切なたしなみの一つとなっていった。
*六種の薫物(むくさのたきもの)
香りの原料として代表的なおは、沈香、丁字、伽羅、桂皮、白檀、大茴香
貝香など。これらを組み合わせて調合した薫物のうち、黒方(くろほう)、
梅花(ばいか)、荷葉(かよう)、侍従(じじゅう)、菊花、落葉の6種類が
「六種の薫物」と名づけられ、平安時代の代表的な薫物となった。