日別アーカイブ: 2010年3月4日

2010年03月04日

箒(ほうき)andはたき

20代の女の子 数人に聞いてみました。

「ほうき」知ってる?  「はたき」知ってる?

ほうき は ほとんどの人が 知ってるという答え。

何する物? 庭を掃くもの。 誰も座敷を掃くものという

答えは返ってきませんでした。

でも、家に座敷箒がある人もおりました。

さすがに 「はたき」は、知らない・見たことないけど

聞いたことはあると いう回答・・・・ さびしいなぁ(;一_一)

昔はよく 母親に、「畳の目にそって掃きなさい」

           「ほこりが舞うので御茶殻(新聞紙)をまきなさい」

           「先に はたきを掛けてから掃きなさい」

           「丸く掃かないで隅もはきなさい」と言われました。

はたきで ちゃんばらをしてよく 逆にはたきでたたかれたな・・・

ほうきを使うと母の掃き癖がついていました。

ほうきにまつわる母との思い出はたくさんあります。

昔は、箒はただの掃除道具ではありませんでした。

奈良の正倉院には、孝謙天皇が蚕部屋を掃き、

豊作を祈るために使った箒がおさめられています。

古くから神聖なものとして考えられ、箒神(ははきがみ)と

いう神様が宿ると言われています。箒神とは、産神のひとつです。

掃く、掃き出すという行為が、出産と結びつき、妊婦のおなかを

新しい箒でなでると安産になるといわれました。

また神聖なものですから、またぐと罰が当たるという言い伝えもある

なんとも神秘的な背景を持つ道具です

現存する最古の箒は、古墳時代中期のもので、具体的な

使用方法は明らかではなく、その後、古事記(奈良時代712年)の

中に「玉箒」や、「帚持(ははきもち)」という言葉で登場します。

「玉」は人間の霊魂のことで、「帚持」とは、葬列に箒を持って

加わった人のことです。つまり奈良時代の箒は、人の命に

関係深いものとして扱われ、祭用の道具として使われていました。

このような背景を持つ箒ですが、少なくても平安時代には掃き掃除の

道具として使用され、室町時代には、箒売りという職業が登場し、

箒が掃除には欠かせない道具になっていきます。

昭和30年代から掃除機の普及や、和室の減少により、座敷箒の

活躍の場がどんどん少なくなってきました。

寂しいことですね(--〆)

 

         【日本文化いろは事典・白木屋伝兵衛より】