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2010年08月18日

きものの格???

数日前、2年間札幌に滞在し、お国に帰られる方に

きものを着せてあげたいという方が、学院にみえられました。 

スコットランドの方で とてもきれいな方でした。

001学院にあった白地のお振袖を着せてあげました。

お盆中で ものすごく暑い日だったのですが、

お振袖を着たまま、近くの知事公館まで歩いて

出かけられました(;一_一)

その時に、彼女からの質問は、「着物と帯の合わせ方はどのようにして

決めるのですか」 と・・・・・・

はっきり理解してくれたかは分かりませんが、きものの格についてお話

してあげました。

日本人でさえも「きものは持っているし、着たいと思うけど、どのきものをきたら

いいか分からない」という方が多くなっております。

洋服であればTシャツGパン姿の人をみたら普段着であること、

黒いスーツに白いネクタイ姿を見れば、結婚式か何かの式典だろうということは

誰でも直感的に分かりますし、経験が教えてもくれます。

しかし、きもの姿を見る機械少なくなった昨今、経験的にきものの格(TPO)を

学習する機会がなくなっております。昨今、紬と訪問着を見せてもどちらが

格が高いのか分からない若い方がたくさんおられます。残念なことです。

四季の区別がはっきりしている日本のきものは洋服よりも厳格なTPOがあります。

季節によるTPOと、もうひとつは、きものの格と言われる晴着か普段着か

(フォーマルかカジュアル)ということ。

留袖はフォーマル、紬はカジュアルは分かるとして、どうしてそうなのか

格づける要素はどうなっているのか。

以下の要因・条件がそろって、格が決まってきます。

条件        格が高い→格が低い

素   材     絹→上布・木綿・ウール

柄出し方法    染めのきもの→ 織りのきもの

家紋の有無    五つ紋→三つ紋→一つ紋→無

柄付け方法   絵羽→付下げ→小紋

文   様    たとえば吉祥紋→たとえば更紗

上記の条件で、素材が絹で、柄だし方法が染めのきもので、家紋が5つで

柄付け方法が絵羽柄で文様が吉祥文様だと 黒留袖が一番格が高く

なるのです。