数日前、2年間札幌に滞在し、お国に帰られる方に
きものを着せてあげたいという方が、学院にみえられました。
スコットランドの方で とてもきれいな方でした。
学院にあった白地のお振袖を着せてあげました。
お盆中で ものすごく暑い日だったのですが、
お振袖を着たまま、近くの知事公館まで歩いて
出かけられました(;一_一)
その時に、彼女からの質問は、「着物と帯の合わせ方はどのようにして
決めるのですか」 と・・・・・・
はっきり理解してくれたかは分かりませんが、きものの格についてお話
してあげました。
日本人でさえも「きものは持っているし、着たいと思うけど、どのきものをきたら
いいか分からない」という方が多くなっております。
洋服であればTシャツGパン姿の人をみたら普段着であること、
黒いスーツに白いネクタイ姿を見れば、結婚式か何かの式典だろうということは
誰でも直感的に分かりますし、経験が教えてもくれます。
しかし、きもの姿を見る機械少なくなった昨今、経験的にきものの格(TPO)を
学習する機会がなくなっております。昨今、紬と訪問着を見せてもどちらが
格が高いのか分からない若い方がたくさんおられます。残念なことです。
四季の区別がはっきりしている日本のきものは洋服よりも厳格なTPOがあります。
季節によるTPOと、もうひとつは、きものの格と言われる晴着か普段着か
(フォーマルかカジュアル)ということ。
留袖はフォーマル、紬はカジュアルは分かるとして、どうしてそうなのか
格づける要素はどうなっているのか。
以下の要因・条件がそろって、格が決まってきます。
条件 格が高い→格が低い
素 材 絹→上布・木綿・ウール
柄出し方法 染めのきもの→ 織りのきもの
家紋の有無 五つ紋→三つ紋→一つ紋→無
柄付け方法 絵羽→付下げ→小紋
文 様 たとえば吉祥紋→たとえば更紗
上記の条件で、素材が絹で、柄だし方法が染めのきもので、家紋が5つで
柄付け方法が絵羽柄で文様が吉祥文様だと 黒留袖が一番格が高く
なるのです。