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2010年10月18日

教える?教えられる?

久しぶりに 初心に戻らせていただきました。

平成8年に3級2級の認定を受け平成9年に1級の認定を受けた

懐かしい お生徒さん。

当時 1歳に満たない お子様の育児をしながらのおけいこ。

卒業後は子育てに 追われて しばらく 着付けから離れて

おりましたが、お子様も 高校生になり、ようやく自分の時間も

出来るようになり、もう一度 着付けの復習をしようと思い

今日の復習会に出かけてきてくれました。

私は 彼女にたくさんのことを 学ばせていただきました。

彼女は まったく 目が見えません。 最初はどのように

着付けを教えたらいいのか 迷いました。

おけいこをはじめて 最初に 自分の指導の仕方に愕然としました。

「ここはね・・・」「そこはもう少し」というように「ここ」「そこ」「あれ」「これ」と

いう言い方をしておりました。

きちんと 名称で言ったり、右・左とはっきり 言わなければ

彼女には 分からない。 彼女だけではなく、誰にたいしても

はっきり そんな言い方は失礼だったことに 気づかされました。

裾線の合わせ方、半衿の出し方ついつい鏡を頼ってしまいがちな

私たちですが、彼女は すべて 手の感覚・指の感覚・足の感覚で

マスターしていくので、約10数年ぶりに 着物を着ても、正しい感覚は

体で覚えておりました。

私は 彼女のおけいこを通して、毎回 いろんな事を 教えられました。

人に何かを教える時の 指導の仕方・難しさということについて真剣に

考えるきっかけも 彼女でした。

彼女は 私にとっての 先生でもありました。